外に出たとたん、「 これは何かの悪い冗談だ! 」 と思いたくなる暑さ。
皆様、お身体の調子はいかがでしょうか。
さて、前回につづいて、今回のテーマもこれ。
「手元にお金が残ってないのに、利益が出ているなんて、どういうこと?」
前回ご紹介した、その主な原因の1つは、”売れ残り・使い残り” でしたね。
今日は、もう一つの原因である ”借入金” について、ご紹介しましょう。
手元に残っている資金の額と、決算書の利益の数字が一致しない。
その原因の1つは、借金返済だ!
こう言ってしまえば、ミもフタもありません。
わかりやすく、例によって図で見てみましょう。
そうそう、後でちゃんと申し上げますが、同じ 「借入金」 でも 建物、
機械器具や車などを買うために借りたお金である場合、必ずしも
「 手元に金はナシ、でも利益はある 」 という状態になるとは限りません。
そのことを頭の片隅にチラリと置きつつ、下記の例をご覧ください。
例えば、決算書を作ると、それぞれの経費の割合がこうなったと仮定します。
↓ ↓
この図では、売上が仮に1,000円とすると、250円の利益がゲットできている
ことになっています。ですから、税金はこの 「 利益 」 に対してかかります。
ここで借金のない会社と借金を返済している会社との違いが出てくるのです。
↓ ↓
利益の中から税金払って、その残りが手元に残る。
借金の返済がなければ、こうなります。
でも、借金の返済をする場合、利息は経費になりますが、
元金の返済部分は単に借りたものを返しているだけなので、経費には
なりません。
ですから、利益の中から税金の支払いと、借入の返済をして、その残りが
手元に残ることになります。
… ここまで見ると、ひょっとしてこんな風に思った人はいませんか?
「 え~! じゃあ、借金したら必ず苦しくなるの? 」
…一概にそうは言えませんよ。
事業をしているのですから、借金を利用する場面は多々あります。
むしろ、銀行の融資は上手に活用すべきものです。。。
なぜかって? ここで、冒頭に申し上げたことを再度、見てみましょう。
…同じ 「借入金」 でも建物、機械器具や車などを買うために借りたお金で
ある場合、必ずしも「 手元に金はナシ、でも利益はある 」 という状態に
なるとは限らない。
これなんですが、要は 「設備投資のための借金 」 ということなんです。
例えば、1台100万円の機械を買うという場合。
その機械は、この先何年も使えるものですし、値段も高いので、買った年に
いっぺんに経費にはしません。毎年少しずつ、経費にするのです。
ですから、100万円の借金をしてその機械を買ったとします。
すると、次の月からはこうなりますよね。
* 借金の元金返済は経費にならないが、お金としては毎月出ていく。
* 機械の代金は毎月少しずつ経費になるが、お金は出ていかない。
(支払い済)
図で言うと、この部分に こんな経費が入っていることになります。
↓ ↓
「過去に支払いは済んでいる」 ので、それを経費に出来ている分、
手元資金に余裕が出来ることになりますよね。
ですから、たとえ「利益」の中に、経費にならない借入返済部分があっても
それほど気にする必要はない、というわけです。
(※返済期間が、機械等の経費化の期間と著しく乖離しないという前提です。)
すべて分かりやすく説明できたかどうか自信はないのですが、
イメージとしてはお分かり頂けたでしょうか。
( ※数字や割合は、分かりやすくするために仮の数字を使っています。)
長くなりましたので、今日はこのへんで。