お彼岸前にこの涼しさ!
暑さ嫌いの私には嬉しい限りです。
さて、消費税の話題ばかり続いたので今日は相続の話をしましょう。
本当はこれこそ、専門用語を使った方が正確に説明できるのですが
それだと話が分かりやすくならないので、できる限り簡単な言葉で
お話します。
なので、全部のご家族の事例に当てはまるとは限らない、
あくまで一般的な大原則のお話であるということ、ご了承下さい。
相続といえば、以前は親から子への相続という事例がほとんどでしたが
最近は兄弟間、姉妹間の相続という事例を拝見することが増えてきました。
実は日本の相続税、親子や配偶者には手厚く兄弟姉妹の優先順位は低いです。
相続するのが兄弟姉妹だけという場合の遺産相続では、次のようなことが
起こるのです。
↓ ↓ ↓
1.相続税が20%割り増しになる。
2.遺留分(※最低限保証された相続分)はない。
まず「1.相続税が20%割り増しになる」ということについて。
親から子へ、子から親へという直系の相続だと100万円ですむ
相続税が兄弟姉妹間だと120万円になります。
何だか腑に落ちないとおっしゃる方も多々おられますが、これは
相続税の計算方法の決まりごとなので、仕方がありません。
次に「2.遺留分(※最低限保証された相続分)はない」ということについて。
遺留分って何?と相談に来られた方から聞かれたら、私はいつも
こんな図を書いて説明しています。(親子間ならこうなります。)
つまり遺言があってもこれだけは相続人さんに保証しましょう、という
最低限の取り分が法律で決められているのです。
ただし、これが兄弟姉妹間のみとなると話は別。
兄弟姉妹だけが唯一の相続人であったとしても、遺留分という
法律で決められた最低限の取り分の保証というものが
そもそも兄弟姉妹には認められていないので、こういうことが
起こるのです。(民法1042条)。
なので、仮に故人が「財産のすべてを愛人に」という遺言を残したとして、
その故人の配偶者(夫もしくは妻)なら
「私には法律で決められた遺留分という権利がある」
という異議申し立てもできますが…その故人の兄弟姉妹はできません。
じゃあ何もできないのか??というと…。
遺留分のように法律で割合が決まっているわけではないのですが、
寄与分という権利を請求する道は残されています。
そう、これって具体的に割合が決められているわけではないので
ちょっとややこしいのです。
※過去に書いたこちらの記事も参考にしてみて下さい。
(https://cieltax.jp/blog/?p=1776)
いずれにしても、相続人全員の意見がまとまっていれば
問題はありませんし、実際に法的手段で身内に異議申し立てをするのは
なかなか勇気がいることですが、相続をきっかけに身内がぎくしゃくして
しまうのは珍しいことではないようです。
そもそも「完璧な平等」を求めると争いになりやすいのかもしれませんね…。
うまく話をまとめきれませんでしたが、今日はこの辺で。