皆さんこんにちは。
年末年始は非常に寒くなるようですね。用心しましょう!
さて、今日は「在庫」の話。
税務調査でも非常に重要視されるし、税理士は必ず大事ですよという
「在庫」、つまり「年度末で残っている商品・製品」。
法人・個人を問わず、物を仕入れたり製造したりしているご商売の
方にとっては避けて通れないと言ってもよいでしょう。
で、皆さん。
そもそも、何で在庫のことを考えないとダメなのか分かりますか?
以前もちょっとブログで書いたことがあるのですが、改めて
ご説明しましょう。まず、下の図をご覧下さい。
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こういう時の経営成績はこれですよね。
↓ ↓ ↓
売上 500円
仕入 △250円
利益 250円
これを決算書の形でみてみましょう。
(法人の場合)
これは誰でも分かります。
問題はこれ。年度末に「売れ残り」が発生する場合です。
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この場合の「今年の」経営成績、こんな風に
思ってしまった人はいませんか?
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売上 300円
仕入 △250円
利益 50円
…違います! 正解はこちら。
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売上 300円
仕入 △150円
利益 150円
仕入れに払ったお金は250円なのに? と思うでしょうけれど、
実は税金の計算上、売上から差し引ける「仕入れ値」って、
実際に売れた商品(製品)の分だけの仕入れ値
なんです。税金の計算は「手元にいくらお金が残ったか」ではなく、
「実際にいくら売れて、その原価がいくらで、利益いくらか」という
発生ベースで行うことになっています。
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でも、商品が売れるたんびに、その仕入れ値はいくらだったのか
そのつど原価を記録していくのは面倒ですよね。
なので、仕入れたときはその「仕入れた分」だけ帳簿に記録して、
年度末に「売れ残った分」はいくらかを数えることで
実際に売れた分の商品(製品)の原価を計算するのです。
(詳しく書くとこうなります。)
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さらにこれを、実際に税務署に提出する決算書で表現すると
こうなります。
(個人の場合)
(法人の場合)
要するに、売れ残ったものはその年度においては
「売れていない」ので、その分の仕入れ値は
実際に売れる年度で経費にしないといけないわけです。
よって、年度末に在庫になった商品や製品は、結局は
次の年に売れたら経費になるのです。
仕入れた年度に経費、ではなく、売れた分に対応する仕入れ値だけが
経費になっていく仕組みですね。
ではさらに、「次の年」のことを考えてみましょう。
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この場合の営業成績は?
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そう。売れた分だけですものね。
これも、帳簿上ではこうなります。
↓ ↓ ↓
ちょっとごちゃごちゃしてきましたでしょうか…。
さっき申し上げたことをメモ書きで図につけてみました。
↓ ↓ ↓
これを実際に税務署に提出する決算書で表現すると?
(個人の場合)
(法人の場合)
よく、手元に残っているお金はないのに税金はかかる!と
いう話がありますが、この「在庫」がある商売の場合はその傾向が
顕著に現れます。
だから、通帳の残高だけで決算書の利益も税金も判断できないのです。
在庫ということの他にも、手元資金と利益とが一致しない原因は
色々あるのですが、それはまたの機会にしっかりご説明しようかと思います。
では皆様、平成最後の年末、よいお年をお迎えください。
<(_ _)>