皆さんこんにちは。この記事を書いている今、季節は夏。。。
外に出たら、これでもかとまとわりつく関西の湿気に辟易しております。
さて、業績アップのコツということで書いているこの記事。
一言で言ってしまうと、
「自分の長所は伸ばし、短所は叩き潰していく」ということです。
まずは自社(自分)の成績表を目の当たりにした時に、冷静に成績全体を眺め、
伸ばすべき長所と叩くべき短所を発見しましょう、
そして、発見できないなら素直にその道の達人や外部の人などから、
アドバイスやヒントをもらいましょう…
というのが前回までの記事の内容でした。
で、ここで話を終わってしまえば、ただの雑談。(*_*;
せっかく私は税理士として、数多くの会社経営者と接し、その方々の経営成績を
日々拝見し分析しているので、もっともっと、具体的な話に進みたいと思います。
業績アップのコツを具体的に説く?
そんな本やブログ記事は山ほどあるよねって言われそうです。(*´Д`)
でも、そういう本や記事を読んでも、なんだか抽象的な言葉で、結局は
当たり前のことを言っているように思えることってないですか?
いざ自社(自分)に当てはめて考えると、結局どうしたらいいの! と
言いたくなることってありませんか?
そりゃそうです。どんな商売にも当てはまるような共通原則を
聞いたところで、それを具体的に自分に当てはめることができて、
なおかつ実行できる人は実は少数派ですから。
もっと具体的に聞きたい人のために、ここから先は税務上の注意点も
交えながら業種別に分析してお話していくことにします。(‘◇’)ゞ
まず初めに、店を設けて、その店にお客様の方から来てもらって物を売る、という
スタイルの商売を前提にお話しましょう。
(ネットショップのケースはまた改めてお話します)
【1】比較的良い場所に店を出している場合
店を構えている場所が良ければ、それなりに売上も獲得できるというのは本当です。
でも、場所が良いから売れているという状態は、ただラッキーなだけで
商品に対した魅力がなくても売れている…ということもありえます。
例えば1件の和菓子屋さんがあったとしましょう。
その和菓子屋さんは駅に近いこともあり、「あの駅前の和菓子屋さん」と言えば
あの店だなとすぐわかってもらえるような店でした。
大きな駅のそばにあったので、それなりにいつもお客様が来ておりました。
しかし…。
同じ駅前に似たような和菓子屋さんが登場すると売上は落ちる可能性があります。
良い場所だからといって安心は出来ません。
それに良い場所というのは家賃が高くつくものなので、しっかり売上を確保しないと
高額な家賃を払いきれなくなって経営は一気に苦しくなります。
そうならないようにするには、どうしたら良いのでしょうか?
思い出してください。業績アップのコツの大原則は
「長所を伸ばし、短所を叩く」 というところにあります。
この場合の長所とは、人目につきやすい場所(駅前)に店があるということです。
普通の地味な外観であっても、そこに店があるということはたいていの人には
気づいてもらえますよね。
でも、なかには気づかないような人もいるんです!
特に人通りの多い場所であればあるほど、周りの賑わいに埋もれてしまうので
いつもその場所を足早に通りすぎるような人には気づいてもらえないかもしれません。
店の存在に気づいてもらえないと、そもそもお客様になってくれる可能性すら
ありませんよね…。
そこで店の外観やのぼり、ポスターなどを駆使して
「通行人には絶対に気づいてもらえる特徴のある店」になると、たとえ
近くに同じような商売の店ができても、こっちの方が人々の記憶に
残りやすくなるのではないでしょうか。
図はちょっと極端な例ですが。(#^^#)
こんなに目立つところにある店だから、そこまでしなくても…なんて
思いますか? … でも「すぐ見つけてもらえる店」という要素だけではなく、
そこに「記憶に残る店」として要素が加われば最強ですよ。(^^)/
「あの駅前の和菓子屋さん」という言われ方をされるのも良いですが、
「あの駅前にある×××な看板の和菓子屋さん」という言われ方で周囲の人に
認識される方が、集客力としてはアップします。
ただ、ここで税理士として一言。
広告宣伝費・販促費というのは必要な支出ではありますが、資金繰りが
苦しくならないようなタイミングで支出しなければなりません。(重要)
いくらぐらいの広告費なら経営を圧迫しなくて済むか、税金の支払い予定や
毎月確保しておくべき資金など、 その辺は顧問税理士に相談です!
で、長所の伸ばし方が分かったところで、次は短所叩き。
良い場所に店があって、それなりに人目につくような工夫がなされた
外観であるにもかかわらず売れ行きが思わしくないというケースもあります。
原因は?
1.商品そのものに魅力がない。
2.商品は良いがお客様が求めるサイズではない
3.商品は良いが使い方(食べ方)が分からない
商品そのものに魅力がないのは、致命的です。
その辺は社内の方々で徹底的に改善してくださいとしか申し上げられません…。
でも、原因2.と3.についてはどう思いますか?
せっかくの商品の良さが生かされていない、伝わっていないということがわかります。
そもそも店頭で物を売るという商売の場合、お客様に商品を持って帰って
もらわないといけません。
店はよい場所にあって、商品も良いものを売っている。
それなのに売れないというのは、持って帰るのが面倒くさいと思わせてしまう
サイズになっているなど、「大きさ」に問題があるかもしれません。
それなら、ご自宅への発送承りますよとか、可能ならパッケージをもう少し
コンパクトにするなどの工夫が必要でしょう。
あるいは、商品の使い方、食べ方などに理解が得られていないなら、
店の側から「これはこんな風に食べると良いですよ。」とか、
「オフィスのこんなシーンにいかがですか」など、商品そのものの性質を具体的に
簡潔な言葉でお客様に伝えるようにすればよいのではないでしょうか。
何事も、言わなきゃ伝わらないものですね。(^^♪
でもここで再び、税理士として注意点を1つ。
店頭での試食販売やサンプル品の無料配布というのは王道な手段ですが、
経営側にとっては思った以上にコストがかかることがありえます。
商品や製品の材料代分だけのコストではありません。
試食用商品の包装を解いて、きれいに並べて、ごみ箱まで設置して中身を捨てて、
時には販売員1人そこに貼りつきになるのでその分の時給が発生して…となります。
サンプル品にしても、通常の商品と一緒にサンプル品をセッティングして出荷するので
従業員の手間が1アクション増えて、サンプル品のための説明書・チラシも作成して
同封して…となります。
その辺までしっかり考えて、それでもこの商品についてはやったほうが良い!と
思えるなら、実行してもよいかと思います。
そしてコスト把握のためにも、試食に回した分は会計処理をする側に
「見本品費」や「サンプル品費」などの科目で決算書できっちりわかるように
しておくとよいでしょう。
【2】あまり良くない場所に店がある場合
場所が良くないと、店頭で物を売る商売の側としてはキツイものがあります。
だって、そもそも見込み客である「通行人の数」が少ないのですから。
せっかく良い商品を売っていても、世の中に知られなければ何にもなりません。
そこで、ネットやフェイスブック、チラシや雑誌への広告などの努力をすることに
なるのですが、それでも売り上げが思うようにあがらない。
そんな時はどうしたらよいと思いますか?
ここでも思い出しましょう。「長所を伸ばし短所を叩く」というのが業績アップの
コツです。この場合の長所って、何ですか? … 2つありますよね。
1.商品そのものの魅力
2.家賃等の固定費が安いので比較的お買い得な値段設定にできる
上記1.は言うまでもありません。誰でも思いつきます。
でも、上記2.の方を「長所」として思いつきましたか?
実際、物の値段ってこの3つの要素で成り立っていますよね。
↓ ↓ ↓
物そのものの材料費 + 物を売るのにかかる人件費や設備費 + 店が確保すべき利益
でも、家賃が安いと値段を下げても利益は確保できます。
こういう実情があるのに、一般消費者は物の値段=材料代 程度にしか
思ってくれない人が予想以上に多いものです!
「手間賃や設備代」ってことをあまり意識してくれない。
その一般消費者に、「この場所で売るからこそ良いものがこんなにお買い得!」
などという真っ正直なアピールをしても良いと思うのは私だけでしょうか??
そうして長所を最大限に生かしたところで、次は短所叩き。
場所が良くない。
お客様に知られにくいならネットでアピールというのは王道です。
問題はそのアピールの仕方。
はっきり言って「良い商品ですよ」いうアピールだけでは限界があります。
「この程よい酸味、他にはない」というように商品の具体的な特徴・良さを徹底的に
かつシンプルに訴えかけないと、場所の悪さという短所を叩き潰せない場合が多々あります。
何かアピールポイントを見つけられましたか?
ここでは欲張らないことです!
売る側というのは商品を知り尽くしているので
数多くのアピールポイントがあるかもしれませんが、一番訴えかけたいことを
1つだけ決めて、その点をしっかり目立つようにアピールする方が
消費者側の記憶に長くしっかり残るものです。
(後から思い出してもらいやすいのは、どっちでしょう?)
そして、店を構えている場所が悪い場合、ホームページやFacebookなどで
SEO対策をバッチリ打つことは勿論のこと、その商品についてもネットで
注文できるように しておくと良いでしょう。
で、ここでまたまた、税理士として一言。
ネット注文の客を受け入れるということは、クレジットカード決済のシステムを
取り入れることが頭に浮かびます。
そのカード決済のシステムを取り入れるということは、カード会社へ払う
手数料のことや、物が実際に売れてから代金が入金するまでのタイムラグの
ことなどを頭に入れて下さい。
そもそも、現金でもらうことが多いというのが店頭小売業の強みです。
だって売れたらその場で代金もらえるんですよ。これはありがたいことです。
でもカード決済にすると、売れたタイミングですぐに代金もらえないのです。
それでいて、税務署には売上代金をもらったタイミングではなく、
「売れた」タイミングで売上高に計上しなさいと言われます。(重要)
なので、カード決済のシステムを導入するのは、手元資金に比較的余裕がある
タイミングでやらないとエライ目にあうかもしれませんのでご注意を。
※**~※**~※**~※**~
このほかにも、店を設けて物を売る商売の注意点としては、在庫の管理・経理処理と
いうことがあります。
この辺の話をすると長くなりますし、個々の会社の実態に即したお話をしないと
意味がない部分もあるので、割愛します。
では、今日はこの辺で…。
次の業績アップのコツは「ネットショップで物を売る場合」について
お話したいと思います。