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インボイス制度の何がそんなに「大変なこと」なの?

皆さんこんにちは。今日は消費税のお話です。

 

さて、インボイス制度のスタートが刻一刻と近づいてきています!

 

何がそんなに大変?
インボイス制度ってそもそも何?

 

実はこのお話、だいぶ前になりますがこちらの記事でも
ご紹介しております。
↓  ↓
消費税のしくみが変わるのは2019年、そして2023年です。 | 税理士 永岡玲子のブログ (reiko-n.jp)

 

 

インボイス制度が何なのかという理解のために大事なので、
この話を少しおさらいしておきましょう。

 

まず、大前提としての消費税の基本の仕組み

 

売上で預かった消費税から、経費で払った消費税を差し引く。
その差額を納税します。(※簡易課税方式を選んでいる場合を除きます。)
↓  ↓  ↓

 

この「経費等で払った消費税を差し引く」ということを
専門用語で “ 仕入税額控除 ” と言います。
※消費税関連の記事を検索すると、よくこの言葉が出てきます。

 

 

ここで大事なポイントを1つ。

会社の経費なら無条件に「その経費と一緒に消費税払ってます」
ということにしてくれるかというと、実は違うんです。

 

「本体価格に消費税を乗せて、払った経費」
であることが書類で証明できないとダメなんです。
↓  ↓  ↓

 

そのためにも、消費税の額がきちんと分かる請求書や領収書
保管しておくことが大切になります。

 

※余談ですが、請求書等は税務署に毎年出す必要はありませんよ。
税務署に見せるのは税務調査の時なので、その時に備えて
社内できちんと保管しておきましょうね。

 

 

で、その「消費税の額がきちんと分かる請求書や領収書」とは
具体的にどういうものかといいますと、こんな感じです。
(例;国税庁のサイトより。)
↓ ↓ ↓

 

そして、ここからが大事。

インボイス制度というものが始まると、
この「消費税の額がきちんと分かる請求書や領収書」
に求められる条件が厳しくなるんです。
(これも国税庁のサイトより引用です。)
↓ ↓ ↓

 

この右上の部分に注目してみましょう。
「登録番号」とあります。

 

わかりやすく言うと、この「登録番号」が書いてある
領収書や請求書じゃないと、「本体価格に消費税を乗せて、払った経費」
ですよという
証明書類として認めてもらえなくなる!

 

それがインボイス制度だ!…というイメージで
とらえてもらうとわかりやすいかと思います。

 

【インボイス制度が始まるとこうなる】

 

 

じゃあ、この登録番号って何なのかと言いますと、
それが冒頭でも紹介したこちらになります。
↓ ↓ ↓

 

色々と書いてますが、注意点は2つ。

↓ ↓ ↓

 注意その1;こっちから手続きしないといけない。

 注意その2;「消費税の課税事業者」だけが登録できる。

 

「消費税の課税事業者」だけが登録番号をもらえるというルール。
これって、けっこう大きな影響がありますよね。

 

消費税の課税事業者とは、消費税を納める義務がある
会社(法人)と個人事業主です。

 

売上と一緒に消費税を受け取ってて、その売上高が
一定の規模(1,000万円)を超えると、ある時点から
消費税を納める会社・個人事業主ですよとなります。

 

その消費税を納める会社・個人事業主でないと、
インボイス制度における「登録番号」を発行してもらえない。
そういうルールなんです。

 

なので、こういうことが起こり得ます。
↓ ↓ ↓

 

 

もちろん、いきなりこうなってしまうと消費税の納税義務のない
中小・零細企業への影響が大きいということで、経過措置があります。

 

要は、消費税の納税義務がない会社・個人事業主から税込110円(消費税10円)の
商品を買ったとしましょう。

 

その場合、当分の間は消費税10円のうち8円までは「本体価格と一緒に払った消費税」として
差引いてあげましょう、その次は消費税10円のうち5円までは差し引いてあげましょうという
ことです。

 

差引いてあげましょうとはつまり、売上から預かった消費税から経費等で払った
消費税を「差し引く」という時に、ということです。

 

 

こういう経過措置があるとはいえ、売上規模からいって消費税の納税義務がない
会社(法人)や個人事業主にとっては影響大、ですよね。
だってやっぱり、こういうことが起こり得るわけですから。(再掲)

 

じゃあ、この「登録番号付き」領収書や請求書を発行できる会社・個人事業主に
なるにはどうしたらいいのか。

 

それは「消費税の納税義務を負います!」という届出を税務署に
提出するという方法があります。

 

実は売上規模からいって消費税の納税義務がない会社・個人事業主って、
消費税を「納めなくていいですよ」と言われているだけで、
消費税を「納める側になってはダメですよ」とは言われていないのです。

 

よって、このような届出書を税務署に出して、あえて自分から
消費税の納税義務を負う人になるということも出来ることになっています。

 

ただ、これを出すと消費税の納税義務が発生するということ、
そして2年間は免税事業者(消費税の納税義務が無い事業者)に戻れないこと。

 

その点はよくよく考えてから選んでくださいね。

 

このインパクトの大きな「インボイス制度」。
今のうちから意識しておく必要がありそうです。

 

いつもより長い記事になりましたが、
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
<(_ _)>