コンテンツへスキップ

給料明細で引かれてる住民税、なぜこの金額?

皆さんこんにちは。税理士の永岡玲子です。

会社勤めの人、つまり「会社からもらう給料から住民税が差し引かれている人」ですが、
給料の額面からは、社会保険料とか税金とか、色々差し引かれていますよね。

社会保険料を抜きに考えると、給与明細から引かれている税金はこの2つ。

ここで是非とも、皆さんに知ってほしいこと。

給料明細から引かれている所得税と住民税、
そもそも性質が違うということです!
↓  ↓  ↓

これってよく言われますよね。
「住民税は後から来る!」って。

じゃあ、どうして所得税はリアルタイムに引かれるのか?

なぜなら、給料から差し引かれる所得税は、そもそもこういう方式で
計算することになっているからです。
↓  ↓  ↓

そう、リアルタイムにその時もらった給料にもとづく所得税を
差し引けるのは、年末にちゃんと正確な額を精算するという
仕組みが整っているからです!(これがいわゆる“年末調整”です。)

じゃあ、住民税は?

そもそも、会社が年末に精算するということになってません。

まず、会社は市役所に、従業員1人1人の年収を報告します。
「この人に去年1年、こんだけの給料払いましたよ!」と。

そして市役所は、その人の去年1年間の年収から住民税を計算します。
(ここでもちろん、副業やダブルワークの収入も合算されます!)

そうやって計算された住民税の金額は、5月ごろに会社に通知が来ます。
「この人、去年こんだけ稼いだので●●●円の住民税です!」と。

なので、こうなるんです。(再掲)

で、ちょっとここで番外編。

年の途中で転職したりした人はどうなるの?というお話をします。
少しややこしいですが、じっくり図を見れば分かってもらえると
思いますのでご覧下さい。

まずは、こういう人のケース。
(見づらい人は画像をクリックorタップしてください)
↓  ↓  ↓

こういう感じで、2022年の後半あたりで転職して次の会社で
去年の年末(2022年12月末)を迎えたという人。

この場合、転職先であるB社は原則としてこんな処理をします。
↓  ↓  ↓

そうすると次の年(2023年)はどうなるのでしょうか。

要は、住民税は「実績に基づいて後から払う」ので、
転職する前の会社の給料に応じた住民税が「今の会社の給料」から
差し引かれていく…ということが起こります。

(しつこいようですが、これが大原則なので)

では、年末を転職後の会社ではなく、転職前の会社で迎えた、
こんな人の場合はどうなるのか見てみましょう。

こういう時、実はタイミングや前職の会社の処理によっては
去年の収入に対する住民税が
次の職場からの給料から差し引かれるとは
限らないのです!

なぜなら。

この「退職した人」が次に就職する先があるというのは、あくまで結果論です。
退職した時点では、次の仕事が決まっていない場合だってあります。

そういう時に「2023年度中に、次に就職する会社の給料」をあてにして、
そこから2022年の年収にもとづく住民税を差し引くことにしよう!なんて、
できない場合もありますよね。

そういうときは「次からの住民税は、本人が自分で払ってもらうようにしよう!」
という手続きが取られることになります。

こういう時、転職して最初のうちは住民税は給料から差し引かれず、
所得税だけはリアルタイムなので差し引かれて、住民税はしばらくは
自分で払うということになるのです。

しかし!(まだ先があります。)

次の就職先が決まっての退職ということもありますよね。
そういう時は、退職するときにこうなります。

すみませんね。
いっぺんに色々なことをご紹介したので、すぐには分からない
かもしれません。(私も最初はそうでしたから。)

ここまで細かいことを自分から言っておいて、こういうのもなんですが、
お客様は上記のようなことは「本業ではない」ので、100%を一度に理解しようと
思うのではなく何度か読み返して、7~8割くらい分かって頂けたら
いいかなと思っています。

だって、こういう事をしっかり理解してお客様の会社の事務処理を
お助けするために、私たちのような専門家がいますので
だいたいの概要を理解して頂いたらあとは任せてもらうのが一番です!

それでは長くなりましたが今日はこの辺で。
最後までお読みいただいた方、ありがとうございます。