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一番大事な「正しい売上の帳簿」、初心者はここを間違える!

皆様こんにちは。税理士の永岡玲子です。

 

融資や給付金などの申し込みをしたり、事業の規模を証明したりと
色々な場面で求められるのが

 

会計帳簿

 

です。今後、ますます重要性は高まっていくことでしょう。

 

その会計帳簿ですが、特に起業したばかりの方や、会計処理は初めてと
いう方が陥りやすい間違いがあります。それは…

 

処理を行う順番です!

 

まず最初に、現金で払ったレシートや領収書などの経費を
入力・登録してしまっていませんか?

 

時間がたっぷりあるならそれでもいいですが、
限られた時間で仕上げたいなら、それはやめましょう。

 

 

まずは売上の把握!

 

そして、その売上を得るのに一番大事な
仕入や外注費などの大きな経費!

 

 

こういう順番でやっていってください。

 

冷静に考えれば、自分の財布やカードから払った細かい消耗品や
飲食代などが積み重なっても、全体に与える影響って意外と小さいですよ。

 

で、改めてその「売上」を帳簿に記録・登録するとき。
その記録・登録の仕方で多くの初心者さんが
間違えてしまう
ポイントがあります。

 

初心者によく選ばれている会計freeeを題材に説明してみましょう。
まずはこの画面。

 

銀行やカードの明細、自動で取り込んでいるから大丈夫…と
思わないように!

 

ある程度は推測してくれますが、人間でないと分からない取引は
かならずあります。未登録のものは定期的にこうやって登録しましょう。

 

次にこの画面。

 

売上代金が銀行に振り込まれた、という取引を見つけました。
よし、とにかく売上の金額を把握だ!と、このまま「登録」を
クリックしたらよいのでしょうか?

 

いいえ。

 

入金された売上代金のすべてを「売上高」としてはダメです。
先月やった仕事の代金なら、それは「売掛金」とします。

 

なぜなら売上にしても仕入・経費にしても、会計帳簿の
正式ルールは「発生した時」の売上や経費として記録する
ということになっているからです。

 

 

よくよく考えてみて下さい。

 

3月中はまだ売上はマシだった。
4月は緊急事態宣言以降、売上がほぼゼロ!

 

それなのに会計ソフトから何のチェックもせずに印刷した
売上の記録や試算表、4月にも売上がそれなりにあると出ている。

 

これだと実態を反映していない上、下手をすると、本来は
受けられるはずの融資や給付金も受けられないことにも
なりかねません!

 

そうならないためにも。
4月になって入金されたのは「3月分」の売上ですよと
実態にあわせた帳簿を整えましょう。

 

何も難しく考えることはありません。
例えばこの画面。

 

 

売上代金を入金されたときに「売掛金」とするのだったら、
じゃあどの画面から「売上」って登録すればいいのか?

 

その答えの1つがこれです。

 

もしfreeeの請求書機能を使って、請求書を発行しているのであれば
「3月分、99,000円の売上が発生した」
という取引をわざわざ自分で登録・入力する必要はないのです。

 

 

でも、そういう機能を使ってなかったら?
この画面をご覧下さい。

 

 

自分で登録しましょう。売上が「発生しました」という記録を。

 

面倒なんですが、これをちゃんとやっているのと、いないのとで
帳簿への信用度が違いますよ。

 

 

で、ここで1つ疑問に思った方いませんか?
上記のようなことが出来ているのかいないのか、
どうやって気づくのか?

 

ここを見れば気づきやすいです。

 

何の画面かっていうと「試算表」の「貸借対照表」です。
その中にある「売掛金」。

 

※上記はサンプル画面なので取引先名がかなり変ですが
ご容赦を。

 

経理に慣れた人なら、上記の状態が「なんか変」で
あることが分かるはず。

 

残高マイナスになっているし、年度初めの残高が
まだ残っていますからね。

 

よって、貸借対照表をきれいに仕上げて初めて、
損益計算書(収支の表)が正確に仕上がるのですが
全てのしくみを解説しようとすると「簿記の教科書」に
なってしまうのでやめときます。

 

そもそも、皆様は税務会計の専門家ではないので、
大まかな仕組み・発想の部分だけ理解しておき、あとは
「餅は餅屋」と他の力を借りれば良いのです。

 

 

では、長くなりましたが今日はこの辺で。