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住民票ないのに日本の居住者?

【目次】

1. そもそも「居住者」とは?

2. 「住民票なし」の居住者が払う所得税

〇日本人の場合
外国人の場合

3.「住民票なし」でも払う?住民税

1月1日に住民票ないのに住民税きた
3ヶ月超滞在のビザ(在留資格は中長期滞在)の外国人



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1. そもそも「居住者」とは

日本に住民票あり=日本の居住者、ではありません。

・国内に「住所」を有している個人
・引き続き1年以上「居所」を有する個人

これが日本の居住者なのです。
国税庁のホームページを見てみて下さい。
こういう書き方をしています。
 ↓ ↓

その人の「生活の中心」がどこか。
これが大事なんです。


確かに住民票が日本にあるということは
生活の中心地が日本にあるかどうかを判断する時の
客観的事実の1つにはなります。

あくまで「決め手の1つ」であって、
絶対的に住民票=居住者、ではないのです。

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2. 「住民票なし」の居住者が払う所得税

○日本人の場合

日本で稼いだ所得も、外国で稼いだ所得も全部、
日本の税務署へ申告して税金を払います。

これを全世界所得課税といいます。

日本の銀行口座に入金されているかどうかは
この場合、関係ありません。
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○ 外国人の場合

外国人つまり日本国籍を持っていない人の場合、
この2つのうち、どちらかになります。

日本在住が何年かによって、全世界所得
それとも外国で稼いだ所得については日本に送金された
部分にしか所得税がかからない送金課税かが
決まります。

ここでひとつ、大事な注意点。

日本で生活しながら外国の会社に会社員として
リモートワーク勤務で給料もらってます!という場合。

それは「外国の所得」ではありません。
身体そのものが日本にある状態で勤務して得た所得なので
基本、「日本の所得」になるのです。

(※この判定基準は日本人でも同じです)

外国の会社からの給料で、
外国の銀行口座への入金であっても
そもそも日本での勤務による給与(国内源泉所得)なので
日本に送金されたかどうかは関係ないのです。

こういう「外国の会社からの給料、国外払い」の場合、
その外国の会社が日本にオフィス等の一定の拠点がなかったら
日本の所得税が給与から差し引かれないので
気づきにくい!ことが多いのかもしれませんね。
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3.「住民票なし」でも払う?住民税

○ 1月1日に住民票ないのに住民税きた

確かに、基本は住民票があれば住民税かかる、です。
だからと言って「1月1日に住民票を抜いて旅行すればOK?」
などと思わないでくださいね。

やっぱり居住実態で判断されるようです。
(東京都江戸川区のサイトより引用)

その他、複数の自治体のサイトを見てもわかるように、
「基本は住民票だけど居住実態が大事」のようです。

実際、税務署に出す所得税の確定申告書の情報は
市町村にも伝わる
ので、その確定申告書できっちり
「自分は海外生活者」だと分かるようにしておかない限り
住民税の課税はされるということのようです。
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○ 3か月超滞在のビザ(在留資格は中長期滞在)の外国人

原則的に3ヶ月超日本に滞在する外国人には
日本の住民票が発行されます。

生活の中心地は外国にあって、所得税のルール上では
「非居住者」つまり居住者ではない外国人であっても
日本に住民登録がある(つまり住民票ありの人)になります。

※下記、総務省および入管による配布資料より引用。
 画像をクリックすると元サイトが表示されます。


なので、「住民票なし」でも日本の住民税払うの?と
思いきや、中長期滞在という在留資格で来日する場合は
実は住民登録されていて「住民票あり」の人に
なってしまう例があるのです。

それでも、住民税って、もともとは1月1日時点で
日本に「住所」ある人にかかるんでしょう?
住所って実態つまり生活の本拠地ですよね!
ついさっき、そう言いましたよね!

というお声が聞こえてきそうですね。
はい、その通りです。

ただ実際に、興行ビザ(演劇、演奏、スポーツなど)で
3ヶ月を超えて在留する外国人は、中長期在留者として
住民基本台帳制度の対象となってしまうので、
日本人と同じように住民票が作成され、その在留期間に
「1月1日」が含まれている場合。

自治体の運用としては住民税は住民票ベースで
処理されるので、住民税は課税されてしまいます。

※在留カードの表面には住所地が(未定)としか無いので
このタイプの在留カードだとちょっとわかりにくいのですが、
裏面をみると、どの自治体に登録されたのかわかります。
(裏面の見本は個人情報保護のため非掲載)

じゃあ何もできないのかというと、100%そうではなく、
例えば租税条約の適用があるとか、
誰が見てもこの人の生活の中心地は日本じゃないとか、
個別事情を自治体に説明すれば「課税取消」もしくは
「課税の留保」を行う場合はあるといえばあります。

ただ、自治体が公式に「説明すれば大丈夫」とは言ってませんし、
実際に弊社がかかわった事例で課税が取り消しになったのも、
あくまで個別事案なので、こうすればいいとかいうことはここでは
画一的には書けません。その点はご了承下さい。

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最後に一言。
余計な税金を払わないようにするのはもちろん、大事。
でもルールを守ることが一番大事なので、税理士に相談すれば
税金が安くなる!のではなく、正しい税金になる!と
思っていただけるとありがたいです。

弊社では英語・中国語・韓国語でのご相談
(オンライン・対面)に対応しております。

今日は最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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