投稿日:2025.12.12 最終更新日:2025.12.16
償却資産税って何ですか
この記事が役立つ人 → 会社の経理担当者、起業したての社長さん
1.お手元に届くもの
2.やるべきこと
3.償却資産税とは何か
4.払う額を減らすには
5.多めに払ってて気づかない場合とは
6.最後に(バレないんですか?の真相)
1.お手元に届くもの
毎年、12月になるとこんな感じのハガキや書類がお手元に届くことがあります。
会社や個人事業主さんが受け取るものです。


上記のような「お知らせ」を受け取る場合もあれば、こんな感じの
書類を受け取る場合もあります。

2.やるべきこと
やるべきことって、何でしょう?
要するに、受け取った後のアクションですが、その答えは2通りです。
↓ ↓ ↓
A. 自分には当てはまりません!というなら「0円です」と書いて出す
B. 数字や資産名を書いて1月に市役所に出す
ポイントは、これを出さないといけない会社や事業主さんも、そうでない人も、
原則として書類としては1月中に出さないといけないということです。
もちろん、顧問税理士がいるなら税理士さんに頼んで市役所にオンラインで
提出してもらいましょう!
税理士さんでなくても、自社でオンライン提出もできるようです。
(下記、eL-Taxのサイトより引用。)
↓ ↓ ↓

3.償却資産税とは何か
そもそも償却資産税って何なのでしょう?
一言でいうと、事業で使っている備品や内装、機械・機器類のうち
金額が「一定以上のもの」にかかる税金です。
そういわれてもピンと来ない人がほとんどだと思いますので、
ちょっとこの図を見てみて下さい。

会社の決算書です!「試算表」っていうものでも良いのですが、
その中に”貸借対照表”というタイトルのものがありますよね?
(現金とか、預金とかが書いてあるものです)
その中に上記の図のように、会社が持っている建物とか器具備品類などが
書いてあるはずです。
※この時点で「うちの会社にはそんなものはない!」と言い切れるなら
償却資産税はかからない会社なので、書類には「0円」と書いて出せばOK。
建物や土地には「固定資産税」が毎年かかりますよね。
車には「自動車税」が車検のときにかかります。
それ以外で、事業用で持っている設備にかかるのが償却資産税、って考えると
イメージがしやすいのではないでしょうか。(図でいうとこんな感じです)
↓ ↓ ↓

※厳密には、この他に「事業所税」という事業所床面積1,000㎡超、又は従業者数100人超の場合にかかる大都市地域だけの税金がありますが、ここでは説明を省略しています。
イメージはつかめましたでしょうか?
ただ、さきほども触れたように金額が「一定以上のもの」だけが対象です。
基本は、一定以上 = 単価10万円以上 となります。
この「単価」という部分、誤解しないでほしいのですが1個(または1組)あたりの
取得価額(買ったときの値段)という意味です!
複数のパーツから成り立っている機器類で、そのパーツが全部揃ってこそ使えるような
場合に、「領収書だけ10万円未満になるように分ける」などということをしても
意味がありませんので、ご注意下さい。
この償却資産税という税金の支払額を減らしたいなら合法的にやりましょう!
4.払う額を減らすには
償却資産税というこの税金。
支払う額を減らしたいなら合法的にやりましょうと申し上げましたが、
そもそも「いくらぐらいかかる税金なのか」ご存知でしょうか。
税率は1.4%です。そんなに高くはありません。
対象になる資産の価格(評価額)×0.014 ですね。
しかも、もっと詳しく言うと
市役所が決めた、その資産の価格(評価額)×0.014 です。
更に言うと、いくら単価10万円以上の機器類や備品が会社にあったとしても
その合計が150万円未満なら、償却資産税という税金はかかってきません。
※同一市区町村内にある対象資産の合計、という意味です。
※申告書の提出そのものは必要になります
ここまで読んで「な~んだ、心配して損した!」と思った方は
目次に戻って他の項目を読むか、ここで読むのをやめてもらってOK。
それでも「この償却資産税という税金、払う額を減らしたい!」と思う人へ。
先ほど、ご紹介したこの図をもう一度、一緒に見てみましょう。
↓ ↓ ↓

この「一括償却資産」というものに注目してみて下さい。
単価が10万円以上、かつ、20万円未満のものです。
それでいて会計処理で「一括償却資産」という名前で処理されたものです。
これは会社側が「選べる」ものなのです。
さすがに文章でいうとややこしいので、図で説明しますね。
↓ ↓ ↓

上記の【方法その3:3年間かけて3分の1ずつ経費にする】
この処理にしたい!と思ったときに会計ソフトで選ぶ項目(勘定科目)が
一括償却資産、という項目名なのです
この一括償却資産という名前をつけられて会計ソフトに登録されて確定したら
その備品・機器類はたとえ単価が10万円以上であっても、償却資産税がかからない
ものとして扱われることになります。
ただ、先ほども申し上げた通り、税率はその物の評価額×1.4%です。
償却資産税がかかってもいいから、一気に今年の経費にした方がトク?
それとも償却資産税かからないように3年間に分けて経費にした方がトク?
これは自分の会社の利益や税金の状況を見て、決めましょう。
決められない、分からない、という場合は顧問税理士に相談です!
5.多めに払ってて気づかない場合とは
そもそも償却資産税を「多く払いすぎる」場合って、何でしょう?
実務の現場でたまに見かけるのが、建物と建物附属設備の区分ミスです。
くどいようですが、先ほどの図より一部を抜粋します。
↓ ↓ ↓

もちろん、テナントとして借りた物件に対して行った内装工事代部分は
借りた側が「附属設備」ですよとして償却資産税の対象にするのですが、
問題は自己所有の建物に「内部造作等」として行ったものです。
(「構築物」という勘定科目で処理されていることが多いかもしれません)
もっとわかりやすく言うと、建物内部の造作・内装や附属設備のうち
「それって建物の一部ですよ」として、家屋に含まれるものは
償却資産税の申告書に書かなくてもいいということなんです。
正直に申し上げますと、私達のような税理士事務所でも即答できないことが
多々あります。悩んだときは自治体の「手引き」が一番!
弊社の本社所在地である兵庫県西宮市の解説のほか、東京都が出している解説を
下記に2つ、引用させて頂きます。
↓ ↓ ↓
資料1:西宮市「償却資産(固定資産)申告の手引き 令和8年」より抜粋

資料2:東京都主税局「別表9 償却資産と家屋の区分表(東京都(23区)の取扱い)」より抜粋

ややこしいですよね。本当に。
(隠れた本音)いっそ世の中から償却資産税という税金丸ごと消えてしまえばいいのに…
税理士としての立場から申し上げると、固定資産税と償却資産税の二重課税という
事例だけではなく、固定資産税からも償却資産税からも「課税もれ」となってしまう
ことも十分にあるので、その点についても注意しましょう。
6.最後に(バレないんですか?の真相)
申告しなくてもバレないって本当ですか?と聞かれたことがあります。
(本当です。何度かあります。)
確かに自己申告なので、言わなかったら分からないのかもと思われるのも
無理はないのかもしれませんし、提出期限はあるのですが法人税申告みたいに
青色申告取り消し!などという「間に合わなかったときの厳しさ」が薄いのも
ひとつの原因なんでしょうか…
ですが!
申告漏れが見つかれば最大5年、さかのぼって修正申告が必要になります。
それに、確定申告や決算処理のときに減価償却費の明細は税務署に出していますし
市役所が行う償却資産税だけの実地調査、というものもあるみたいなので
「言わんかったらわからへん」という謎の説を信じるのはやめましょう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
皆様、良いお年をお迎え下さい。