投稿日:2026.03.22 最終更新日:2026.03.22
税制改正は「いつ決まったか」ではなく「いつ始まるか」で見るべき!
【目次】
1. 「令和8年」税制改正なのに令和8年に始まらない?
2. 令和8年4月1日から「一斉に実施」の主なもの
〇一気に経費にできる限度、30万円→40万円未満
〇グループ会社間の取引金額、文書保存義務が厳格化
〇給与扱いの食事補助、金額基準が月3,500円→7,500円に
〇同族会社からもらう社債利子、第三者経由の節税はアウト
3. 令和8年4月1日から「順次、実施」の主なもの
〇研究開発税制、「最低1%は法人税ダウン」の保証廃止
〇外国子会社の所得は「真に必要な場合」のみ親会社に合体
〇法人税が500万円を超えると国防費の負担発生
〇親会社の規模や資本準備金が自社の事業税計算に影響!
〇賃上げ税制は中堅・大企業は廃止で中小企業向けも縮小へ
〇その他、M&A関連の微調整
4. 節目は1月、4月、10月にあり!
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1. 「令和8年」税制改正なのに令和8年に始まらない?
毎年発表される「税制改正」、つまり税の新ルール。
実は発表されるタイミングは同じでも
実行されるタイミングは「バラバラ」なのです!
これってご存じでしたか?
例えば、2026年(令和8年度)の税制改正という場合で、
新ルールA,B,C が書かれているとしましょう。
その実施時期はこんな感じだとイメージして下さい。

だから、2026年(令和8年)の4月1日から始まる新ルールでも
実は1年前の国会で決まっていた!というのは普通にあります。
加えて、「令和8年」税制改正なのに令和8年に始まらないものも
たくさん書かれています。
ですから、今年から始まる新ルールを知りたいなら
「今年の税制改正」の内容だけでは済まないのです。
でも税務会計、経理などに携わる人間にとっては
「いつ決まったんだ!」というのは正直どうでも良くて、
「いつ始まるんだ!」ということが重要ですよね。
なので、今日は「4月1日から」すぐに始まるもの、
徐々に始まっていくものだけをピックアップします。
そして、例によってこんな感じでお伝えします。
→ 主なものだけを
→ なるべく普段づかいの言葉で
→ 分かりやすさ優先で
「我が社には関係ないテーマ」は読み飛ばして
知りたいなと思った記事のみ、読むことができます。
なお、トピックごとにつけている「実務への影響」という
コメントは筆者の個人的実感です。
実際の個々の企業の影響をすべて表しているものではありません。
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2. 令和8年4月1日から「一斉スタート!」のルール
○ 一気に経費にできる限度、30万円→40万円未満に

(ルール名:少額減価償却資産)
実務への影響 → 分かりやすいし処理も楽
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○ グループ会社間の取引金額、文書保存義務が厳格化

(ルール名:企業グループ間の書類保存特例)
実務への影響 ⇨ 自由すぎる利益調整は禁止
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○ 給与扱いの食事補助、金額基準が月3,500円→7,500円に

(ルール名:食事の現物支給に係る非課税限度額)
実務への影響 ⇨ ようやく今の物価に合った形に
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○ 同族会社からもらう社債利子、第三者経由の節税はアウト

(ルール名:同族会社以外の特定法人が発行した社債の利子等)
実務への影響 ⇨ 役員個人の節税策が1つ消えた
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3. 令和8年4月1日から「順次、実施」の主なもの
(※令和8年4月1日以後に開始する事業年度から実施)
○ 研究開発税制、「最低1%は法人税ダウン」の保証廃止

(ルール名:試験研究費の額に係る税額控除制度)
実務への影響 ⇨ 従来型研究・中小企業への増税
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○ 外国子会社の所得は「真に必要な場合」のみ親会社に合体

(ルール名:外国子会社合算税制)
実務への影響 ⇨ 実態ハズレの形式的な判定は解消へ
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○ 法人税が500万円を超えると国防費の負担発生

(ルール名:防衛特別法人税)
実務への影響 ⇨ シンプルな増税です
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○ 親会社の規模や資本準備金が自社の事業税計算に影響!

(ルール名:外形標準課税)
実務への影響 ⇨ 決算事務増大 & 利益小企業には増税
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○ 賃上げ税制は中堅・大企業は廃止で中小企業向けも縮小へ

(ルール名:給与等の支給額が増加した場合の特別控除)
実務への影響 ⇨ 大企業・中堅にとっては増税
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〇 その他、M&A関連の微調整(※まとめ図は省略)
→親会社が持つ子会社株式等の価値の計算方法を一部メンテ
(ルール名:グループ通算制度の投資簿価修正計算)
→子会社・事業等の分離独立で親会社の持ち分を残しやすくなる
(ルール名:パーシャルスピンオフ税制)
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4. 節目は1月、4月、10月にあり!
これまで20年以上、毎年の税制改正つまり税の新ルールが
発表される場面を見つめてきて感じることなのですが、
税の世界でいうと、こういう傾向があるのかなと思います。
1月→個人の税金ルールが変わる(年収の壁や扶養の範囲など)
4月→法人の利益と税金計算のルールが変わる
10月→消費税のルールが変わる(個人事業主・法人共通)
こういう「大きな傾向」があった上で、法人の場合は
年度の終わりである「決算月」をいつにするのかは
会社自身が自由に選べるので、4月からといっても正確には
2026(令和8)年4月1日以後に開始する事業年度から
という形での新ルール適用になるのです。
つまり、会社ごとに新ルール適用時期は違うというわけです。
今日は最後までお読みいただき、ありがとうございました。
とにかく、分かりやすく・伝わりやすく!と
思ったので、今回のブログでは税制改正の
「ちゃんとした詳細」はお伝えできていません。
その点はご了承下さい。宜しくお願い致します。
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